貧しい収入の中から親に孝養を尽くすことをさしていう言葉。「釜」は、中国での升目、容量の単位。1釜は6斗4升。つまり、わずかな俸給でする孝養。曾子が3釜の薄給のころでも、親に孝養ができ心楽しい思いをした。しかし、のちに出世して、もっとたくさんの俸給をもらえるようになったが、そのときはすでに親はなく孝養も尽くせず悲しい思いをしたという『荘子(そうし)―寓言』にある故事によったもの。
〔例〕「就職したばかりで楽ではなかろうに、毎月2000円ずつ送金しているそうだね。そういうのを三釜之養というんだそうだ。きみはえらい。だれにでもできることじゃない」などと使う。