1人の人間の言動が、前と後で一致しないこと。いっていることと、やっていることとが、食い違っていてつじつまが合わないこと。「撞着」は、突き当たること。また、つじつまの合わないこと。矛盾の意味。古くは「撞著」と書いた。
『禅林類聚(ぜんりんるいじゅ)―八・看経門』に、「南堂静云、須弥山高不レ見レ嶺、大海水深不レ見レ底、簸レ土揚レ塵無レ処レ尋、回レ頭撞著自家底」とある。
〔例〕「昨日の会議の発言と今朝の朝礼の発言と、自家撞着していることに課長は気づいていない」とか、「好きでもない山口さんとドライブするかと思えば、仲のよかった田中さんとは話もしないなんて、母さん、あの子は自家撞着におちいっているようだから、少しそっとしておいてやりなさい」などと使う。
〔類〕自己撞着(じこどうちゃく)/自己矛盾(じこむじゅん)/自家撲滅(じかぼくめつ)