仏教の言葉で、煩悩を脱して悟りの境地に入ってはじめて真の安楽を感じることができるということ。「諸行無常、是生滅法、生滅滅己、寂滅為楽」という涅槃経四句偈(げ)にある最後の一句。「寂滅」は、迷いの世界を脱して得ることのできる無為、静寂の境地に入ること。また、その悟りの境地。
〔例〕「家がほしい。車がほしい。お金がほしいと、おまえはほんとうに煩悩の多いやつだ。寂滅為楽と考えれば、ずっと楽になるのに」とか、「思わぬ航空機事故で、妻と3人の子供を一時に亡くした彼は寂滅為楽、一切の家財をなげうって、仏道の世界に入った」などのように使ったりする。