矢で射られ、1度傷ついた鳥は、弓の弦をはじく音を聞いただけであわてて逃げるという意味から、転じて、以前のできごとにこりて恐怖におののく人や、物事におびえて警戒心が強くなっている人をたとえていう。
『戦国策(せんごくさく)―楚策・考烈王』による故事で、『晋書(しんじょ)―苻生載記』に、「傷弓之鳥、落二於虚発一」とある。
〔例〕部会や朝礼のスピーチなどで、「営業マンというのは、一にも二にも押しが大切です。1度や2度断わられたからといって尻込みするようでは、傷弓之鳥とそしられてもいたし方ありません」というように使う。