常山(恒山)にいた双頭の蛇は首を打つと尾が代わりとなって戦い、尾が打たれれば首が代わりとなり、胴が打たれれば首や尾が代わりとなって戦ったという故事から、前後左右のいずれの陣営もが互いに連絡をとりあって攻防に備える戦法をいう。転じて、文章の首尾が上手に呼応し組み立てられていること。
『晋書(しんじょ)―桓温伝』に、「初諸葛亮造二八陣図于魚復平沙之上一、塁レ石為二八行一、相去三丈、温見レ之謂、此常山蛇勢也」とある。
〔例〕「今度の代表質問は手厳しいものになりそうだが、常山蛇勢で万全を期して臨むつもりである」などと使ったりする。