仏教の言葉。生死を繰り返す六道輪廻(ろくどうりんね)を捨て去って悟りを開くには、人間として生きている今しかなく、今こそもっとも大事なときであるという意味。人間にとって、生と死は一大事であり、今生きていることがもっとも大事であるということ。
『景徳伝灯録(けいとくでんとうろく)―五』に、「温州永嘉玄覚禅師者永嘉人也。(略)師曰、生死事大、無常迅速」とあり、また、『正法眼蔵随聞記(しょうぼうげんぞうずいもんき)』に、「生死事大也、無常迅速也。教家も禅家も同じく勧む」と記されている。
〔例〕「あんなに元気だった高橋くんが、あっけなく事故で死んでしまった。そんなことを考えると生死事大、今のこの時間を大切に生きなければとしみじみ思うね」というように使う。