食事をするときにごちそうを1丈四方にいっぱいに並べるという意味から、転じて、きわめてぜいたくなごちそうのことをたとえていう。「食前方丈一飽(いっぽう)に過ぎず(人が1回に食べられる食事の量には限度がある。ぜいたくなごちそうもほんの一部を食べるだけで満腹してしまうのだから、ぜいたくもほどほどにしたほうがよい)」のように使う場合がある。
『孟子(もうし)―尽心・下』に、「食前方丈、侍妾数百人、我得レ志弗レ為也」とある。
〔例〕「戦後の食糧難のことを思えば、今はまさに食前方丈、子供たちも幸せだ」などと使う。