「蜀犬日(ひ)に吠(ほ)ゆ」と読み下す。中国の蜀(四川省)地方は、山地で霧が深いために薄暗く、その地方の犬は日を見るとあやしんで吠えるという意味から、転じて、無知な人は当然のことであっても、それをあやしみ恐れる。または、見識の狭い人がすぐれた人の非凡な行為を知らずに、疑いあやしむということをたとえていう。
『藤原惺窩文集―訳語』に、「蜀犬之吠レ日也、非二日之不一レ明、以レ不レ知為レ異而已」とある。
〔例〕「あなたのたぐいまれなる才能がわからずに、とやかく批判する評論家がいるようだが、しょせんは、蜀犬吠日(蜀犬日に吠ゆ)のたぐいだ。気にすることはない」などのように使う。