酒や料理の出る宴席で行われる外交交渉のことで、武力を用いないで外交を成功させること。また、相手と交渉する場合のかけひきや談判のたとえ。「樽」は、酒だるのこと。「俎」は、料理をのせる台をいう。「折衝」は、突いてくる敵のほこさきを折(くじ)くという意味で、「接衝」や「接渉」と書くのは誤用。
『晏子春秋(あんししゅんじゅう)―内篇・雑上』に、「夫不レ出二於樽俎之間一、而知二千里之外一、其晏子之謂也、可レ謂二折衝一矣」とあるところから。
〔例〕「相変わらず待合政治がまかり通っているようだが、いいかげんに樽俎折衝の政治はやめにしてもらいたい」とか、「今年も企業の多額の交際費が問題になっているが、取引にはある程度の樽俎折衝はつきものである」などと使ったりする。