「大義親(しん)を滅(めつ)す」と読み下す。国家や君主への忠誠心のためには親兄弟への情も捨てるという意味。中国の春秋時代に、衛の桓公を殺害して天下をとった州吁(しゅうく)が、親友の石厚と陳の国に行った。それを知った石厚の父親が、ひそかに刺客を送って二人を殺害したという故事を批評した言葉。
『春秋左氏伝(しゅんじゅうさしでん)―隠公四年』に記述がある。
〔例〕「課長さん、大事な取引があって、お父さんのお通夜にも出られなかったそうよ。大義滅親(大義親を滅す)とはいうけれど、さぞかしおつらかったことでしょうね」などと使う。