逃げた羊を追うときに、道が多方面に分かれていると見失うことが多いように、学問の道もいろいろな方面に分散しすぎていると、真理をつかむのに苦労するということ。転じて、方法が多方面に分かれていると、どれを選ぶべきか迷うことになるということ。
『列子(れつし)―説符』に、「心都子曰、大道以二多岐一亡レ羊、学者以二多方一喪レ生。学非二本不一レ同、非二本不一レ一」と記されている。
〔例〕「英会話を身につけようと思ったのだけれど、ラジオ講座がいいか、学校に通うのがいいか、多岐亡羊としていて困ってしまう」などのように使ったりする。
〔類〕望羊之嘆(ぼうようのたん)