「中原に鹿(しか)を逐(お)う」と読み下す。「中原」は、中央の地のこと。中国では、黄河流域の平原地帯をさす。「鹿」は、天子の位という意味。天子の位を得るために戦うこと。転じて、地位や目的を達成するために互いに争うことをたとえていう。
中国の唐代初期の政治家である魏徴(ぎちょう)が著して、よく知られる『述懐(じゅっかい)』の詩に、「中原還逐レ鹿、投レ筆事二戎軒一」と記されている。
〔例〕「入社したときはほんとうにみんな仲がよかったのに、今ではだれが最初に課長になるかで、中原逐鹿(中原に鹿を逐う)のありさまだ。これが、サラリーマンの宿命かもしれない」などのように使う。