中国の漢時代の名将韓信が、趙(ちょう)の軍と戦った際に、自軍をわざわざ山のとりでから降ろして、戦いには不利といわれる川を背にして戦い敵を破った。これは、兵法の一つで、わざと不利な陣立てをすることで決死の心をふるいたたせるということ。この故事から転じて、1歩も退かない覚悟でことに当たることをたとえていう。
『史記(しき)―淮陰侯伝』に、「信乃使二万人先行出、背レ水陣一、趙軍望見而大笑。(略)信曰、此在二兵法一、顧諸君不レ察耳、兵法不レ曰、陥二之死地一而後生、置二之亡地一而後存」とある。
〔例〕朝礼や部会のときなどに、「今度のプロジェクトは、わが社の命運をかけた、いわば背水之陣です。みなさんの奮闘をお願いします」と使ったり、また、「失敗することは許されません。背水之陣を敷いて臨んでください」などのように使う。