天空を幕にして大地を席(むしろ)にするという意味から、転じて、こせこせせずに度量が広いこと。元気さかんでこころざしが高いことをいう。また、世俗のことに心をとらわれないこと。
『劉伶(りゅうれい)―酒徳頌』に、「幕レ天席レ地、縦二意所一レ如」と記されている。
〔例〕「幕天席地のこころざしをもって入社した」といったり、また、人を紹介するときなどに、「交際し始めたころの木村くんは、どこかつかみどころがなく、なにを考えているのかわからないという感じがしました。しかし、つきあいを重ねていくうちに、彼の人生哲学の深さを知り、尊敬さえおぼえるようになりました。今では、幕天席地の人物というのは、まさに木村くんのような人間をいうのではないかと思っています」というように使ったりする。