友人のためならば、たとえ首をはねられることがあっても、後悔はしないというくらいの深い交際。生死をともにするような非常に親しい間柄をいう。中国の春秋時代の趙の将軍廉頗は、功績をあげた自分より同僚の藺相如が上位にとりたてられたのを恨みに思ったが、その藺相如が、国の平和を願って自分との争いを避けていると聞いて感激し、さっそく、藺相如のもとにかけつけてわびた後、刎頸の交わりを結んだという故事による。
『史記(しき)―廉頗藺相如伝』に、「卒相与驩、為二刎頸之交一」と記されている。
〔例〕「友達はたくさんいるが、刎頸之交をするような友はなかなかいない」といったり、「太宰治の『走れメロス』って感動的な小説でした。友情のためには命を賭(か)ける、刎頸之交とはあのようなことをいうのでしょう。それに引き換え、最近は友情さえ金銭に換算する若者が多いと聞いてさびしい思いがします」などと使ったりする。
〔類〕刎頸之友(ふんけいのとも)