紀元前213年ごろ中国の秦の始皇帝が行った、主に儒教に対する弾圧政策。宰相李斯の献策により、実用書以外の書物を焼き、460余人の儒者を生き埋めにしたという故事から、転じて、学問や思想などへの弾圧政策や、文化を無視した暴政をたとえていう。「焚」は、燃やすこと。「坑」は、穴埋めにするという意味。
『孔安国(こうあんこく)―古文尚書序一』に、「及下秦始皇滅二先代典籍一、焚レ書坑上レ儒、天下学士逃レ難解散」とある。
〔例〕「マスコミをいたずらに政府が規制するのは、現代の焚書坑儒である」といったり、「権力者が知識階級をつぶそうとするのは、焚書坑儒の暴挙だ」などのように使ったりする。