「蒲柳」は、かわやなぎのことで、早く葉を落とすので、松柏の強さと対比して、生まれつき体質が弱く病気にかかりやすいことをたとえていう。虚弱体質。
『晋書(しんじょ)―顧悦之伝』に、「松柏之姿、経レ霜猶茂、蒲柳常質、望レ秋先零」とあり、また、『世説新語(せせつしんご)―言語』に、「蒲柳之姿、望レ秋而落、松柏之質、凌レ霜猶茂」とある。さらに、『山陽詩鈔(さんようししょう)―一・始寓廉塾』に、「好爵難レ靡蒲柳質」と記されている。
〔例〕「彼女は、気品にみちた美人だったが、蒲柳之質の生まれで、若くして亡くなってしまったのは、かえすがえすも残念でならない」というように使う。