聡明で、物事を理にかなったように処理したり、行動したりして、自分自身の安全や地位を守っていること。広く物事の道理に通じている人は、身を誤ることがないということ。徳の高い人や知恵のある人をほめるときに使う。「明哲身(み)を保(たも)つ」と読み下すこともあり、「明哲保身の術」というような形で使う場合が多い。
『詩経(しきょう)―大雅・烝民』に、「既明且哲、以保二其身一」とあるところから。また、『白居易(はくきょい)―杜佑致仕制』に、「敕尽レ悴事レ君、明哲保レ身、進退終不レ失二其道一」と記されている。
〔例〕「うちの社長が、A社に不正融資をしているといううわさが流れていますが、まったくのうわさに過ぎません。あの明哲保身そのもののような方が、そんなことをするわけがありません」などのように使う。