達磨(だるま)禅師が、少林寺の壁に向かって9年の間、座禅を組んでついに悟りを開いたという故事から、転じて、目的のために辛抱強く粘り抜くことをたとえていう。
『碧巌録(へきがんろく)―一則・評唱』に、「達磨至レ彼、亦不二出見一、直過二少林一、面壁九年、接二得二祖一」とある。
〔例〕「今の若者は、面壁九年のような努力をすることを嫌い、すぐにうまくいくようなことばかり考えている」といったり、「あの新技術の開発を、とうとうやったそうだね。大井くんの長年の夢だったから、さぞかしうれしかったことだろう。面壁九年、粘り強かったね」などと使ったりする。
〔類〕九年面壁(くねんめんぺき)