散る花と流れいく水という意味。落花は流れに身をまかせたいと願い、水は落花を流れに乗せたいという気持ちがあるということから、転じて、男女の一方に相手を思う気持ちがあれば、相手にも同じ気持ちが生まれ、したいあう気持ちが通じるものであるということをたとえていう。
『高駢(こうべん)―訪隠者不遇』に、「落花流水認二天台一、半酔閑吟独自来」とある。
〔例〕「なんだ少し冷たくされたくらいで、もう美奈子さんのことあきらめるのかよ。いいか、恋路は落花流水といってだな、相手を思う気持ちがあれば必ず通じるものなんだ」とか、「現代の女性だってお金だけではないよ。落花流水の情がなければ、こちらになびかないよ」などと使ったりする。