遊びに心を奪われて家に帰ることを忘れること。狩猟や遊びにのめりこんでおぼれてしまい、身を持ち崩すこと。遊興にふけって日を送ることをいう。「流」は、舟で上流に行くことで、「連」は、下流に下ることをいい、ともに流れにまかせて舟遊びをすること。「荒」は、酒におぼれてすさんだ生活をすること。「亡」は、政治をおこたりなまけること。
『孟子(もうし)―梁恵王・下』に、「流連荒亡、為二諸侯憂一。従レ流下而忘レ反、謂二之流一。従レ流上而忘レ反、謂二之連一。従レ獣無レ厭、謂二之荒一。楽レ酒無レ厭、謂二之亡一。先王無二流連之楽、荒亡之行一」とある。
〔例〕「ほら、あの人、一時有名になった作家だろう。ずいぶんみすぼらしいなあ。近ごろじゃ仕事もせずに遊ぶだけだというからな。流連荒亡の果ての姿だよ」と使ったり、「今でこそ、謹厳そのものに見える山田さんも、若いころは流連荒亡し、浮き名をはせたそうです」などと使ったりする。