唐時代の中国で、州や県の官吏登用試験に合格して都にのぼる人を送るために、群県の長吏が開いた壮行の宴のこと。この宴で、『詩経(しきょう)―小雅・鹿鳴』を歌ったことからいう。転じて、賓客をもてなす宴会のこと。
『随園随筆(ずいえんずいしつ)―科第類・鹿鳴宴』に、「今郷試枚榜有二鹿鳴宴一。不レ知二何始一。昌黎送二楊少尹一序曰、楊君始冠挙二於郷一、歌二鹿鳴一而来、是唐時己有二此制一。漢何武以二童子一歌二鹿鳴一入レ選、則是替レ人歌耳」とある。
〔例〕「ブラジルへ移民したいとこが30年ぶりに里帰りしたので鹿鳴之宴をはることになった。今夜は話が尽きないだろう」というように使う。