機会費用とは、ある選択肢を選ぶことによって犠牲となる価値の最大値を指す。費用という名前が付いているが、会計上の費用とは異なる概念なので注意が必要である。具体的には、実際の選択を行う際に発生するコストと、他に選ぶことのできた代替案の中で最善な選択肢がもたらす(であろう)便益の和として計算される。たとえば、ゲームセンターで遊ぶことの機会費用は、単純にゲームをするために必要な出費だけでなく、その時間を他のこと(バイトや勉強、趣味など)に使っていたら得られていたであろう最大限の便益も含まれる。同様に、安くておいしいお店の行列に並ぶことは、待ち時間の間にできた他のことを犠牲にするという意味で、高い機会費用を払っている可能性がある。機会費用という概念は、何かを選択する際の真の費用を適切に表現しているため、経済学の分析では会計上の費用に代わって用いられている。