市場で取引される証券価格が、ファンダメンタルズを完全に反映して決められている、とする仮説。ファンダメンタルズを左右する将来に関する情報が、どの程度価格に織り込まれているかによって次の3つの型に分類される。
・ウィーク型(weak form):過去の証券価格に関する情報が完全に織り込まれている。よって、その証券の過去の価格を分析して投資を決定するテクニカル分析は無意味となる。
・セミストロング型(semi-strong form):過去の証券価格に加えて、財務情報やニュースなどのすべての公開情報が完全に織り込まれている。これらを総合的に分析して投資を決定するファンダメンタルズ分析は無意味となる。
・ストロング型(strong form):公開情報に加えて、内部情報も完全に織り込まれている。よって、インサイダー取引を行っても平均を超える投資収益をあげることができない。
効率的市場仮説が成立していない場合には、確実に儲けることができる「さや取り」(これを裁定〈arbitrage〉と言う)の機会が存在する。この仮説を明確に示し、上のように3つの型に分類したユージン・ファーマ(Eugene F. Fama 1939~)は、資産価格市場の分析に対する貢献によって、2013年にノーベル経済学賞を受賞した。