従来、公立小中学校教職員の給与のうち、国が支出する補助金。従来の補助率は2分の1だったが、2004年11月に政府・与党が合意した「『三位一体改革』の全体像」において、2年間で8500億円の補助金削減・税源移譲の案が示された。最終的な結論は、05年度における中央教育審議会(中教審)の決定に委ねられ、中教審は義務教育のあり方について専門的な調査審議を行うために、義務教育特別部会を05年2月に設置した。同年7月に提示された「中間報告」の中で地方6団体の代表は、国庫負担金を廃止し、税源移譲と地方交付税で義務教育費を賄うことを主張。根拠として、「地方の税を財源にすれば、住民が学校を厳しい目で見るようになる」と住民の参加意識の向上による教育の質の改善を挙げた。一方、部会の多数意見は、従来の国庫負担金が「教職員確保の最も確実な財源保障制度」であるとして、制度の維持を支持。同年10月の最終答申では、異例の多数決の結果、地方案は否決されたが、その後の調整により、同年11月の政府・与党合意において、制度の骨格は維持しつつ、補助率を3分の1に引き下げることとなった。