年金、医療、介護などの社会保険や福祉にかかる公的な費用。社会保険料と公費(税金)から拠出され、現在全体の約3分の2が保険料、3分の1が公費。日本の場合、厚生労働省の推計(2006年5月)では、06年に国民所得の約22%であり、ドイツ、フランスの約39%(01年)を下回っているものの、25年度には27%にまで達する見込み。社会保障給付費は一貫して増加しており、06年度は89兆円台。03年度には、高齢者向けの占める割合が1950年度の調査開始以来、初めて7割を超えた。内閣府の試算では、今後の年金給付の増加率は、団塊の世代の高齢化が進む2011~15年に約5%弱に達した後、04年の年金制度改革法で導入された、少子化・経済成長に給付を連動させるマクロ経済スライドの影響から、一貫して名目GDP成長率を下回ると見られる。一方、医療・介護給付の増加率は、同じく11~15年に8%に達した後も、名目GDP成長率を2%程度上回る推移が予想されている(ただし、06年度の「医療」は診療報酬の改定もあり増加率は0%となった)。内閣府は、世帯主の02年時点の年齢階層別に、生涯を通じた1世帯当たりの受益(政府投資、社会保障関係の給付など)と負担(所得税・消費税、社会保障負担など)も試算している。結果は、50歳を境に50歳代以上の受益超から40歳代以下の負担超へ転じ、世代間格差が容認される範囲を超えていると指摘する。