75歳以上の高齢者全員が保険料を負担する新たな保険制度。2006年6月に医療制度改革法が成立し、08年度に新設、県単位で共同運営される。従来の制度では、高齢者の大半は国民健康保険に加入して保険料を負担し、71歳以上は老人保健制度の適用を受けて医療費の大半は医療保険が負担していた。新たな高齢者医療制度の概要は以下の通り。(1)75歳以上は、給付費の5割を公費負担、残る5割は高齢者からの保険料と、64歳以下から高齢者支援のために徴収する連帯保険料で充当し、自己負担割合を従来の2割から原則3割に引き上げる、(2)65~74歳は国保など各医療保険に加入し、医療費負担の不均衡を各保険間で調整する。08年4月の運用開始後、年金からの保険料の天引きなどの運営方法に批判が集まり、同年6月には野党提出の廃止法案が参院で可決。政府・与党は同月、一部の年金収入の少ない層からの保険料徴収の一時凍結を含む、保険料負担の軽減拡大を決めた。