北海道夕張市などの地方自治体が財政再建団体となったり、病院などの公営企業や第三セクターの抱える「隠れ借金」が顕在化したことを背景に、2007年6月に成立した法律。普通会計だけでなく、公営企業や公社・第三セクターなどまでを含めた連結ベースで、自治体の収支状況や借金の実態を把握し、早期是正措置を行って財政状況の改善を促すことを目的とする。具体的には、以下の四つの指標で自治体の財政状況を判定する。(1)税収や地方交付税に対する赤字額の割合である実質赤字比率、(2)公営事業を含めた赤字額の割合である連結実質赤字比率、(3)税収や地方交付税に対する地方債などの返済負担の割合である実質公債費比率、(4)第三セクターや公営企業を含めた、将来の返済負担の割合である将来負担比率。(1)(2)は、毎年度のフローの財政収支を表す指標で、(3)(4)は、ストックとしての借金負担の程度を表す。将来負担比率を除く3指標のうち、一つでも再生基準以上の水準に悪化すると「実質破綻」状態と見なされ財政再生団体となる。それより悪化の度合いが軽ければ、要注意段階の財政健全化団体と判断されることになる。