国民年金の保険料未納率は2005年度に改善したものの、06年度から再び悪化した(07年度36.1%)。社会保険庁では、民間から長官を迎えて、未納者への強制徴収(差し押さえ)などの強硬措置を含めて、納付率80%の目標に取り組んだものの、大幅な改善とはならず、かえって未納率改善への取り組みが、社会保険事務所による国民年金保険料不正免除事件を誘発させる結果となった。納付を免除された人を未納者とした実際の未納率は、51.0%と過半を超える。当然ながら、未納率の上昇は年金財政を悪化させる。将来、未納者が無年金者になった場合、将来的な二重の負担問題(無年金者への現役世代の負担)が起こる。