社会保険庁のオンライン化に伴って行われた年金記録のコンピューター入力のミスや不備が、合計すると5000万件を上回る膨大なものになっている問題。2007年5月、社会保険庁改革関連法案の国会審議中に明らかになった。社会保険庁は1997年に、国民に一つずつ基礎年金番号を割り振ったが、結婚などで姓が変わった人、転職や転居を繰り返した人などが持つ複数の記録を完全に統合することができなかった。本人や勤務先の記入ミスや、社会保険庁や自治体の事務処理の誤りで生年月日が不明であるか、読み仮名などが食い違っているのが、大きな理由であった。年金受給額が減ったり、保険料の支払い年数が足りずに年金を受け取る権利を失ったりする恐れがあるなど、国民の年金制度への信頼を根幹から揺るがす問題であり、2007年8月の参議院議員選挙での与党の大敗の原因の一つとも言われている。過去においては、本人が領収書などの証拠書類を保管していなければ確認できず、社会保険庁に却下された人は07年3月末時点で2万人に達していた。