証券市場への信頼を害する違法行為に対して、行政として適切な対応を行う観点から、規制の実効性を確保するための新たな手段として、従来の刑事罰に加えて、行政上の措置として違反者に金銭的負担を課す制度。ライブドア・グループなどによる一連の証券取引法の違反行為が取りざたされる中、証券取引の監視体制の強化を図るために2005年4月から導入された。従来、証券取引法では、(1)相場操縦を図る目的で、虚偽の説明で利害関係者を欺く偽計取引、(2)うその情報やうわさを意図的に流す風説の流布などの不正な取引、また、(3)会社の内部者情報に接する立場にある会社役員等が、その特別な立場を利用して会社の重要な内部情報を知り、情報が公表される前にこの会社の株を売買するインサイダー取引などの不正な取引を禁止している。このような違反行為に対して、証券取引等監視委員会では、刑事告発を行う従来の方法では時間を要し機動的な不正の摘発が難しいとして、課徴金制度を利用する。