年収などの一定の条件を満たすホワイトカラー社員の労働時間を、労働時間規制の対象外とする制度のこと。アメリカで始まったホワイトカラー・エグゼンプション制度では、労働時間について直接の規制はないが、企業が従業員を週40時間以上働かせる場合、通常の5割増の賃金支払い義務を負う。ただし、管理職などの「ホワイトカラー」は適用が除外(エグゼンプション)され、週40時間を超えて働いても割増賃金を支払う必要がない。日本の労働基準法は、労働時間の上限を1日8時間、週40時間と定めて、社員がこの法定労働時間を超えて働けば、企業は残業代を支払わなければならない。ただし、職種によっては労働時間の長さと成果は必ずしも比例せず、労働時間に対して賃金を払う仕組みは合理的でないとの指摘があった。日本で導入が検討されているホワイトカラー・エグゼンプションでは、一定の条件を満たす社員について、労働時間規制が適用されない。対象となる社員の賃金は成果などで決まり、労働時間は関係なくなるため、残業や残業代という概念もなくなる。成果さえ上げれば時間に縛られず、早めに帰宅して家事を手伝うこともでき、仕事と家庭の調和(ワーク・ライフ・バランス)の改善につながることが期待されている。