アメリカ経済が停滞しても、それと分断(decouple)された状態で中国、インド、ロシアなどの新興国では高成長が維持され、世界経済を牽引していくという考え方。国際通貨基金(IMF)の『世界経済展望』(World economic outlook)の2007年4月発表版で、「列車は切り離されるか?世界経済の連動と景気循環」(Decoupling the Train? Spillovers and Cycles in Global Economy)と問題提起され、同年10月発表版では「中国・インド・ロシア3カ国が過去1年間の世界の成長の半分を占めた」とデカップリング論を支持する内容となっていた。しかし、世界的な需要の低下を背景とする原油価格の下落や輸出の減少などから、新興国においても景気が悪化し、世界経済の現況はデカップリングの状況にはない。