クレジット・デフォルト・スワップの略。企業倒産で社債が債務不履行になる場合に備えて、保険料を受け取って元本支払いを保証する保険。大手金融機関が売り手となり、投資家との相対で取引される。多くの企業の発行する社債、劣後債をまとめた指数での取引が中心。2008年6月末の取引残高は、全世界で約5400兆円。日本の残高は80兆円ほどで、消費者金融会社などの取引が目立つ。国際決済銀行(BIS)による自己資本規制の下で、信用リスクを抑えたい金融機関が、CDSによる信用リスクの移転を図ったことが、CDS市場の発展に寄与したとの見方がある。サブプライムローン問題に際して、CDSの主な売り手であったアメリカの保険会社AIGに対するアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の救済の背景には、同社から信用保証を買っていた大手投資銀行などが損失を出し、システミック・リスク(金融システム全体に機能不全が波及するリスク)が顕在化する危険性があった。相対取引による不透明性の反省から、第三者による清算機関の設立が望まれている。