2010年4月より少子化対策、子育て世帯への援助を目的として導入された、15歳以下の子どもの保護者に毎月1万3000円を支給する制度。09年8月の衆議院議員総選挙の際の民主党のマニフェストで提示され、10年3月31日に10年度の時限立法として成立した「子ども手当法(平成22年度における子ども手当の支給に関する法律)」で導入が決まった。もともとは、マニフェストでは毎月2万6000円とされたところであり、半額でのスタートとなった。財源は初年度で2兆2500億円、翌年からは倍の4兆5000億円ほど必要になる。民主党は扶養控除と配偶者控除の廃止を財源としているが、これらだけでは子ども手当の必要経費には及ばない。さらに、これらの控除の廃止は、子ども手当の支給対象とならない家庭への実質増税措置となることから、その是非をめぐっての議論もある。民主党としては11年度以降も継続させる方針であるが、財源不足や増税措置に加えて、現金支給や所得制限を設けないこと(類似制度の児童手当には所得制限があったものの、子ども手当には所得制限はない)の是非、国と地方の負担割合の問題(子ども手当の導入によって廃止となる児童手当分の一部が地方公共団体負担であったことから、その分を子ども手当に引き継ぐか否か)など、問題点も少なくない。