基礎年金に対する国庫負担割合は、2009年度より3分の1から2分の1へ引き上げられている。問題となるのは、その財源で、将来の消費税を含む税制の抜本改革による安定財源を担保に、09年度から3年間は「埋蔵金」と呼ばれる特別会計の剰余金を充当して2分の1が維持されてきた。しかし、東日本大震災の復旧・復興費のために剰余金が充当されたことから、12年度分の財源手当てが問題となった。政府は2分の1の国庫負担を維持するために、年金交付国債を発行してまかなう方針。交付国債は交付を受けた機関が必要に応じて換金できる無利子の国債。交付国債の発行時には一般会計に計上されないため、12年度当初予算の国債新規発行額を中期財政フレーム(11年8月閣議決定)の枠内(44兆円以下)に抑制することが可能となるが、あくまでもこの財源も消費税を含む税制の抜本改革が担保となっている。