東日本大震災により、被災地域の製品や部品供給が滞り、自動車や電気機械関連の需要先企業にとって大きな供給制約となったことや、逆に、部品供給を被災地域以外の企業に求めることにより、被災地域の産業活動が復旧した際に、これまでの企業間関係の喪失懸念として、この概念が注目を集めた。また、日本から海外の生産基地への製品や部品供給でも、とりわけ先端技術部品の供給において、海外への悪影響が懸念された。例えば、半導体材料であるシリコンウエハーの60%は日本で生産されており、東日本大震災の影響で世界の生産活動が鈍化したとみられる。
サプライチェーンは、もともとは経営管理用語。企業の製品や中間財部品の物流システムを一企業に限定するのではなく、複数の企業間でシステムを構築し、物流上のリスク分散や適地生産など、経営の合理性を高める管理システムのことをいう。