非正規雇用は、正社員以外の労働者を示すものの、法令上や統計上で明確な定義があるわけではない。法的な雇用形態の分類からは、雇用契約で期間の定めのある有期契約労働者、労働者派遣契約に基づき派遣会社から派遣され派遣先企業の指揮命令を受けながら就労する派遣労働者、およびいわゆるパートタイム労働者といわれる短時間労働者が該当する。
厚生労働省の2010年10月時点の「就業形態の多様化に関する総合実態調査」によれば、人件費抑制を背景に非正規雇用の割合は38.7%と過去最高を更新した。ただし、その内訳でみると、短時間労働者(シェア22.9%)、契約社員(同3.5%)および嘱託社員(同2.4%)はシェアを増加させているものの、派遣社員(同3.0%)はリーマン・ショック後に注目された「派遣切り」の増加により、むしろシェアを減少させている。