販売価格が生産コストを下回る農作物を対象として、差額を農家に対して直接支払う制度。農地の面積や農作物の生産量に応じ一定の補助金を交付する。2009年の民主党への政権交代に伴って導入された。10年度は米農家を対象に始まり、11年度には麦や大豆などの畑作物にまで拡大された。しかし、TPP(環太平洋経済連携協定)への交渉参加を前にして、政府の「食と農林漁業の再生実現会議」は、農業の競争力強化に向けた基本方針と行動計画の中で、生産効率を高めるために、現在農家一戸あたり平均2ヘクタールの耕作面積を20~30ヘクタールにまで増やす数値目標を掲げた。農地集約のために、戸別所得補償を改革し、耕作面積の大きい農家ほど交付金を多くし、大規模化を促す仕組みを視野に入れている。