名目成長率が実質成長率を下回る状況のことを意味する。名実逆転が生じるのは、デフレ経済下で物価の下落率が名目成長率を上回るからである。したがって、近年の日本の場合、実質成長率は2%前後の成長を続けたが、名目はマイナスもしくはゼロ近傍の成長率となっていた。1998年度以降、名実逆転が常態化している。従来から、実質成長率が景気判断や経済分析の指標として利用されていたため、見かけ上日本経済は良いと判断される。しかし、デフレ経済下では名目成長率も必要な指標と認識されるようになっている。2013年度の政府経済見通し(正式名称は「経済見通しと経済財政運営の基本的態度」)によれば、名実逆転は16年ぶりに解消するとの予測が示されている。しかし、民間調査機関の予測では継続するとの見方となっている。