2012年8月に、消費税増税を柱とする社会保障・税一体改革関連法が成立した。税率の引き上げ幅は14年4月3%(引き上げ後の消費税率は8%)、15年10月2%(同10%)の予定である。ただし、増税の実施については、経済環境の急変時に増税を見合わせる「景気条項」が盛り込まれている。具体的には、経済成長率で名目3%および実質2%が努力目標とされ、その他種々の経済指標を基に、税率引き上げの半年前にあたる13年秋ごろに判断することとなる。仮に13年10月中に判断する場合は、12年度および13年4~6月期の国内総生産(GDP)が利用可能である。同時期のGDPは13年度内に決定された経済対策による公共事業の拡大効果が反映されやすく、高めの数値が出やすいと考えられる。ただし、名目成長率は1992年度以降3%を超えたことがなく、民間調査機関の見通し(2012年末時点)でも名目、実質とも努力目標より下回る予測となっている。