2006年に発足した厚生労働省所管の独立行政法人で、世界最大の年金の運用機関。厚労省からの委託を受け、サラリーマンからの厚生年金と自営業者らからの国民年金の保険料のうち、年金として給付されなかった積立金を株や債券で運用している。運用は信託銀行などに委託し、運用収入は年金給付に充てられる。12年12月末時点の資産残高はメガバンクに匹敵する111兆9296億円。アメリカ最大の公的年金基金であるカリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS カルパース)の約5倍に相当する。
13年6月、GPIFは価格変動の大きい株式と外債の割合を増やす一方、国内債券の割合を減らす運用資産の配分の変更を、発足以来、初めて行うと発表した。しかし、株式の割合が資産全体の6割を超えるカルパース、運用利回り実績が二桁のパーセンテージを維持するカナダのオンタリオ州教員年金基金などと比べると、日本国債など国内債券の割合が6割、運用利回りが5%弱(12年)にとどまるGPIFの資産運用方針はなお硬直的、安全志向に過ぎると批判されており、優秀なファンドマネジャーの雇用など一段の専門化が求められている。