2013年6月に決定された、原子力規制委員会による原子力発電所の新しい規制基準。新基準は、東京電力福島第一原子力発電所の事故の反省から、放射性物質を周囲に撒き散らす過酷事故の発生時に、被害の拡大を防ぐための備えを義務付けたのが特徴。想定される最大規模の津波高に対応できる防潮堤の設置、沸騰水型軽水炉(BWR)と呼ばれるタイプの原子力発電所では重要施設の真下に活断層が存在しないことの確認、格納容器の中にたまる蒸気を外に逃がすためのフィルター付きベント(排気)装置の即時導入、さらにテロによる航空機の衝突などにも耐える第二制御室などを備える特定安全施設の設置などが要求される。原子力発電所の再稼働に動き出す各電力会社は、原子力発電所への安全対策に投じる費用を電気料金に上乗せして賄うことになるため、電気利用者の負担が増加することになる。