消費税増税では、増税前の駆け込み需要と増税後の反動減が生じる可能性がある。財貨サービスの購入価格の値上げ時期が事前に分かっている場合、駆け込み購入は個人にとっては最適な行動の結果である。しかし、駆け込み需要および反動減の規模、それが生じる期間を捕捉することは困難である。消費は所得の増減や天候などに左右されるため、事実として駆け込み需要と反動減が生じていたとしても、駆け込み需要および反動減のみを抽出することは難しい。このため、駆け込み需要や反動減の規模は明確に区別できず、基本的には推計値である。この結果、1997年および2014年の消費税増税とも、反動減への対応策が遅れ、経済活動を悪化させる要因となった。