消費税は最終消費者が消費に際して支払う税制である。ただし、消費者が直接税金を納めるのではなく、消費時に消費税相当分とともに企業に支払い、企業が消費者に代わって税金を納めるため、間接税といわれている。しかし、企業が海外の消費者に販売する(輸出のこと)場合には、海外の消費者から消費税は徴収しない。つまり、輸出での売り上げには消費税が課されない。ところが、国内での販売や海外での販売をするために、他の企業から原材料などを購入する場合も消費税は課せられる。ここで、輸出を行う企業は輸出分だけ多く消費税を支払うこととなる。このため事後的に還付されるのが輸出還付金である。輸出戻し税ともいう。
具体的には、ある企業の国内販売が50億円、海外販売が50億円とし、そのために要した原材料調達が80億円とする。消費税率8%で計算すれば、国内販売分の消費税は4億円(=50億円×8%)となり、これを国に納める必要がある。しかし、原材料の調達時も消費税を6.4億円(=80億円×8%)納めている。このため、当該企業には2.4億円(=6.4億円-4億円)は還付されることとなる。なお、輸出企業(特に大企業)が原材料の調達時に消費税分を負担していない場合もあるとして、輸出企業を結果として優遇することにつながっているとの批判も出ている。