国際的な取引シェアなどを考慮して日本円の購買力をはかることができる為替相場を実効為替レートといい、そこから物価変動の影響を除いたものが実質実効為替レートである。日本銀行が月次で算出している。ニュースなどで日々目にする市場で決定される為替レートは、対アメリカドル、あるいは対ユーロと、基本的に2国(地域)間の関係を示したものであり、一つの為替相場から通貨の購買力を見ることは正確ではない。実質実効為替レートを見ると、2014年12月時点で、日本円は1973年以来42年ぶりの円安水準にある。当時はドル円レートは300円台であり、現在は110円台であるため円高になっているように思えるが、実際の円の購買力は過去40年で最低水準であることがわかる。円安であることは輸出企業にとっては競争条件が有利であるものの、輸入企業や海外旅行にとっては不利な状況である。