2015年10月16日開催の経済財政諮問会議で、麻生太郎財務大臣が、経済情勢の的確な把握のためにGDP統計に関する基礎統計の精度向上を求めた。特に対象とされたのは、個人消費の推計に使う家計調査報告(総務省統計局)と、賃金の動向を示す毎月勤労統計(厚生労働省)である。これらの統計が問題とされたのは今回が初めてではなく、これまで言われ続けてきたことでもある。たとえば設備投資の動向を示す法人企業統計調査(財務省)などもその精度が問題視されてきた。三つの統計とも、調査対象数が少ない、調査対象の入れ替えに伴う断層の処理方法などが指摘されている。しかし、個人情報保護の考えの高まりや、規模が小さい企業ほど調査のために人員を割けないなど調査環境が厳しく、現状の改善は困難である。インターネットなどICT技術の活用が改善方法の一つとして示されている。