2015年10月までの間に、三井不動産グループが販売した横浜市のマンションで建物の傾斜が確認された問題。原因はマンションの基礎工事である杭打ちが不十分であったこととされる。また、旭化成子会社の旭化成建材が請け負った杭打ち工事では、他の建築物のデータの流用や改ざんがあったことが判明。その後の調査で、こうした改ざんは他社を含め全国的に行われていたことも判明した。この背景には、建設業界における関連業者間の構造が多層的(元請け、下請け、孫請け)であることから、企業間で情報共有できなかったことなどがある。また、マンションを購入した顧客と売り手の不動産会社間における専門的な情報量の多寡もある。このような状況を経済学では「情報の非対称性」と言い、これを改善する方法として情報優位にある側が情報を伝える仕組みを導入するなどの方法が考えられる。