日本では企業と労働組合との賃金交渉は毎年春先に実施されることから、春闘と呼ばれてきた。景気浮揚のため賃金の上昇は必要だが、安倍晋三政権発足以降、政府が企業に賃上げを要請するような動きを見せてきたため、「官製春闘」と評されている。しかし、本来は労働市場の需給で決定される賃金水準が政府の要請で決められることへの反発も強い。もっとも、日本企業には過去最高利益水準を達成する企業も多く出るなど、景気は回復傾向にある。にもかかわらず、賃上げにはつながらず、多くのカネが企業の内部留保として留まっていることから、政府の労働市場への働きかけについて肯定的な見方もみられる。