当初、TPPの発効は参加国12カ国すべてでの国内批准手続きの完了が条件となっていた。しかし、アメリカのトランプ大統領は自国経済にとって有利とはならないとの判断から、2017年1月にTPPからの離脱に関する大統領令に署名。それにより各国は、新たにアメリカを除く11カ国でTPPを推進するか、二国間の個別交渉(FTAなど)に移行するかという選択を迫られた。その後、日本主導により、11カ国でTPPを推進する方向で交渉が進められ、18年3月に署名。これは、二国間交渉になるとTPPより相手国からの要求水準が高くなる可能性があり、TPP11を進めることで二国間交渉の要求水準の最低ラインを示すためとみられる。この動きを受けて、18年1月に、アメリカのトランプ大統領は「以前結んだものより、十分に良いものになればTPPをやる」としてTPP復帰検討を表明した。